【書評】 やりたいことがある?だったら「仕事」は手放せ!問題はどうするかだ! / 『ガーバー流「仕組み」経営』

書評経営

執筆者

■こんな方へ

  • 人に任せられない
  • 抱える業務が一向に減らない
  • マニュアルに頼るばかりで、自分でクリエイティブしないことを許さない

会社をはじめてニッチもサッチも行かなくなった時に読んだ書籍が、マイケル・E・ガーバー原著の『ガーバー流 社長がいなくても回る「仕組み」経営』。事の顛末は・・・

自分が作り出した奴隷環境

考えているビジネスマン

やってもやっても仕事が終わらない…いや、仕事というよりは作業が終わらない。

会社を創業して2年目・・・受けられるだけの仕事を受けてしまい、睡眠時間は1日3時間あれば上出来。売上で見るとサラリーマン時の額面給料の約5倍になったものの、拭えない「なんか違うな」感。

5倍といっても外注費などを考慮するとサラリーマンの時と同じくらいの給料にも届きませんでした。

このままでは、いつか破綻を迎えるのは間違いありませんでした。結局、寝る間を削っての労働は1年で終焉を迎えることに。

普段「仕組み」と言っている人ほど陥りやすい罠

追い詰められたビジネスマン
いまでも、「仕組み」化という言葉はよく使われますが、その本質は何なのでしょうか?

当時の私が考えていた「仕組み」は

  • サーバに稼働させて業務効率のレバレッジを効かせる
  • あとは何もしないでチャリンチャリン

…コレ、大きな間違いでした。

なぜなら、ビジネスはネット上で完結する方が稀で、必ず「人」が介在します。

もちろん、CGMで広告収益だけでガンガン成長…という道もありえますが、そんなラッキーパンチは滅多に繰り出すことはできません。

結局のところ、気づいたのは『業務フローを明確にして効率的に処理できるようにすること』が「仕組み」化なのではないかということでした。
つまり、いままで考えていた「仕組み化」というのは、単に収益面(売上面)しか見ていなかったのですね。

何気なくamazonでポチった「ガーバー流」

sale

ガーバー流 社長がいなくても回る「仕組み」経営』は、基本的に人に仕事をあてるのではなく、仕事に人をあてることが大前提となっています。

どういうことかというと、仕事を分解、マニュアル化しておき、どのような人にその仕事を担当させても、同じ結果が出るようにしてしまおう・・・というものです。

こういうことを言うと、必ず出てくるのが

「マクドナルドじゃん」
「マニュアルに頼るのは能力が無い証拠…」

という意見。

かつての私も、全く同意見でした。

しかしながら、そのように吠えてみても自ら創りだしてしまった蟻地獄のような奴隷環境が変わるわけでもありません。

とりあえず、ガーバーさん?(スミマセン、本当に知りませんでしたw)っていう人もそう言ってるし、3ヶ月だけやってみよう、と思ったのがガーバー流実践のはじまりでした。

自分の業務って何があるんだっけ?

business image chart and smart phone

まず手始めに実施したことは、

  • 自分が担当している業務のリスト化
  • リスト化した作業の細分化
  • 細分化した作業を人に任せた場合の詳細説明書の作成(一般的なマニュアル)

上記3つでした。

この作業をはじめて困ったこと1位はなんだかわかりますでしょうか?実は、大して作業が思い浮かばない・・・ということでした。

あれだけ睡眠時間を削って作業をしていたのに、いざ書き出してみようとすると、「大枠」はリスト化できるのですが、それに紐づく詳細がなかなか出てきません。

結局、このままやっても埒が明かないということになり、「現在進行形で進めている作業」からリスト作成することにしました。

リスト化できたら「他人」に渡せる作業をピックアップせよ!

作業のリスト化が完了したら、その中から”どの作業であれば第三者に任せられるか”を考えて、ピックアップしていきます。

ただ、『ガーバー流 社長がいなくても回る「仕組み」経営』によれば、

『マニュアル化できない業務は無い。すべてマニュアル化する心構えを持て(意訳です)』

とあり、”どの作業であれば第三者に任せられるかをピックアップする”というやり方はガーバー氏の意に反します。

とはいえ、大企業とは異なる小規模の中小企業では、すべての業務をマニュアル化してなんとかしようというのにはマンパワー的に無理があります。ですから、バランスの問題と捉えて、じわじわとマニュアル化を進めていくのが私にはマッチしていました。

地図(マニュアル)がなくて探検(仕事)ができるか!という考え

世界地図の上の方位磁針

旅行など、知らない場所に行く場合には地図(やカーナビ)などのツールは欠かせません。

仕事、業務も全く同様で”道標(みちしるべ)”なくして成果物というゴールにたどり着くことはできるわけがありません。

新人に『ちゃんと聞いておいてね』『メモしてね』・・・なんて発言をしたことは私自身山ほどありますが、土台”口頭”で理解することなんでできるはずは無いのです(中途採用で優秀な方なら別でしょう)。

かつてバカにしていた「マニュアル」がもたらした福音

ガーバー流 社長がいなくても回る「仕組み」経営』を通して、私の会社ではかなりの量のマニュアルを関係者に提供するようになりました。

その結果、いままで一人で抱えていた作業量の50%程度を人に頼めるようになりました。

もちろん、人に頼むことは雇用でもあり、それによって人件費や外注費がいままで以上に出て行くことになります。

しかしながら、私の空いた50%のリソースを、より単価の高い別の仕事にあてることができるようになったため、最終的には売上も上がり、利益も上がる・・・という結果を得ることができました。

マニュアルの作成とは『重しとなった「鎖」を切り離す』作業である

The prisoner,burden

仕事というのは1人で抱え続ければ重しとなって身動きがとれなくなるものです。

ただ、マニュアルを作ることで、鎖を切り離すことも可能なのです。

皆さんの脚にじゃらじゃらとついた鎖とその先の「重し」・・・そろそろ切り離しても良いのではないでしょうか?

社内マニュアルはこんな感じ

弊社のマニュアルは2種類あり、

  1. 業務ごとに全体のフローが書き込まれたスプレッドシート(Excel)
  2. 個別作業ごとに説明されたマニュアル

上記で構成されています。

simprice_flow_2014-10-11クリックで拡大表示

各マニュアルは、すべてGoogle Drive上で管理しており、例えば[1]の「業務ごとに全体のフローが書き込まれたスプレッドシート(Excel)」については、上記のように作業フローが一覧化されています。

上記は、弊社が保有・運営しているSIMカードの比較&コンテンツメディア「SIMPRICE(シムプライス)」の、社内編集部向けの作業フローの一例です。作業順にリスト化されており、詳細な説明が必要なものについては、Google DriveのDocsにリンクが貼られています。

simprice_manual_2014-10-11クリックして拡大

また、上記[2]の「個別作業ごとに説明されたマニュアル」は上記のようになっており、フローと関連して詳細な説明が確認できるようになっています。

詳細系のマニュアルは「いつ」「誰が」作成したのか?という情報と、「なんのために」「どのようなときに」「誰が」担当するのか?という情報も併せて記載されています。つまり、作業理由と責任者が明確化されているというわけです。

人に依存した仕事は早晩破綻する。だから・・・

鎖を渡る男

これまでの経験上、仕事の出来る人は、以下の2つに分類できるように思います。

  • [スタープレイヤー型] 仕事を抱えまくる(そして処理できなくなる)
  • [管理者型] 部下などの人を使って仕事を分散する

前者はベンチャー企業に多く、後者は比較的大きめの企業に多いように思います。

そして、スタープレイヤー型のように人に依存した仕事が多ければ多いほど、何かあった際に会社も同僚もリカバリーが不可能になります。

たとえば、突然の退職やうつ病などによる休職などなど。

属人的な業務にしないように、そして、自分自身が身軽になれるように・・・ガーバー流は試す価値はあると思います。

ガーバー流 社長がいなくても回る「仕組み」経営


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  • 著者:堀越 吉太郎
  • 出版社:KADOKAWA/中経出版

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