【書評】『50代からのお仕事探しアタフタ日記』

書評副業

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本書『50代からのお仕事探しアタフタ日記』は、今現在子育てに奮闘している主婦の方、もうそろそろ育児も一段落しようかという親御さんに強く薦めたい一冊となっています。

なぜなら、本書に書かれている著者の仕事探しの経験は誰しもに起こり得ることであり、いつかやって来るかもしれない就職活動の大変さを疑似体験できるからです。

主婦は仕事を選べない?

子供が小さいうちは専業主婦をしていた女性でも、育児が一段落するとパートやアルバイトの仕事を始める人が多くなります。

家計の足しになるように。

子供の習い事や学費のため。

自分の自由になるお金を持ちたい・・・。

そんな思いを込めて、職探しを始める主婦は少なくありません。

今現在主婦をしている女性の中には、「子供がもう少し大きくなったら、何かパートでも始めたい」と考えている人も少なくないはず。

主婦にとっての理想は「時間や休日に都合がつきやすいパートを探そう」ですが、現実は「主婦が働ける仕事は限られている」のです。

本書の著者である高橋陽子氏は、漫画家として在宅ワーカーを続けてきた経験はあるものの、雇用されて働くという経験は30年近く途絶えていたといいます。

子供が自立し、夫の定年も迫る中、気がつけば老後の費用が心もとないという事態に。

そこで一念発起してパート勤務を目指すのですが、著者の年齢は50歳過ぎ。

パートなら雇ってもらえるだろう。

という甘い考えは、年齢という壁にあっさりと阻まれてしまったのです。

年齢を言うと面接にすら進めないという事実に愕然としながらも、どうにかして職を見つけようと奮闘する著者の姿は、多くの読者にとって「数年後の自分かもしれない」と思えるのではないでしょうか。

マンガならではのライトな読み心地が魅力

年齢を重ねてからの就職活動はいかに大変か。

50代への雇用主の対応はいかに厳しいものか。

こういった、第二の人生を歩み始めた主婦にとってあまりにも厳しい現実が、本書では可愛らしいイラストとユーモアたっぷりの表現でライトに描かれています。

文章だけでは重くなりがちな現実の辛さも、著者ならではの軽いタッチで、リアリティは残しつつも楽しく共感しながら読むことができるよう工夫されているのです。

リラックスタイムの読み物として、自分が50代になったときのことをイメージする材料として、または主婦の就職活動のロールモデルとして、さまざまなシーンで読み進めやすい一冊である本書。

著者だけでなく、著者の周囲の50代主婦たちの生き方もとても参考になります。

まだ50代になっていない人には、理想的な年の重ね方の教材としてもオススメです。

著者と同年代という方には、「あるある」と共感しながら楽しめるマンガとしてストレス解消にも役立ちます。

また、女性だけでなく男性にも本書は一読の価値ありです。

結婚してすぐは専業主婦で良くても、今後の日本社会を考えるといずれは妻も働きに出ることを想定しておくと安心です。
しかしいざ仕事を見つけようと思っても、年齢や職歴、考え方などで思わぬ苦戦をするという事実が待ち受けていることを、夫婦揃って見越しておく必要があるのです。

実用本としても優秀な一冊

本書は、著者が一念発起してから苦労して仕事を得るまでの一部始終を、丁寧に描き出した「主婦の就活記録」だともいえます。

面接で落ちたときの絶望感や、主婦が仕事をするときに陥りやすいお悩みポイント、また就職活動はどんな風に進めていけば良いかということも、本書を通読することで理解しやすくなります。

今働きたいと考えている主婦の方、今後いつかは働きたいと考えている奥様方、老後の人生が視野に入りつつあるご夫婦など、さまざまな年齢の方に、本書はオススメです。

著者と一緒に一喜一憂しながら就職活動を擬似経験していけば、いつかきっと本書の教えが役に立つことと思います。

50代からのお仕事探しアタフタ日記

  • 著者:高橋 陽子
  • 出版社:主婦と生活社

かつて育児雑誌で、子育てエッセイコミックを連載し、「陽子ママ」として人気を博した著者。あれから20年を経て、子供にはすっかり手がかからなくなったけれど、気づけば老後資金が……ない! 女性の平均寿命が87歳に達しようとする今、52歳の陽子ママは残り35年の老後生活のために、働きに出ることを決意したものの……履歴書に書けるような職歴がない! それでも「理想の老婆」を目指し、かかんにアタックし続けた日々をつづった実録お仕事探しコミック。